「追悼の意を表します」
(ついとうのいをひょうします)
「哀悼の意を表します」
(あいとうのいをひょうします)
これらの2つの言葉はよく、お通夜やお葬式の場や挨拶などで聞き覚えがありますよね。
でも、これら2つの言葉はとても似ている感じがしますし、正しい使い方もあまり知られていません。
お葬式という厳粛な場所で使い方を間違ってマナー違反になるのも避けたいところです。
そこで
「追悼の意を表します」
「哀悼の意を表します」
これらの2つの言葉の意味と、どのように使い分ければ良いのか?
正しい使い分け方についてお伝えをしていきます。
お葬式「追悼の意を表します」と「哀悼の意を表します」の使い分けとは?
お葬式に行ったときにどちらの言葉を使用するのが正しいのか?
まず、「追悼」と「哀悼」の言葉の意味をそれぞれみていきましょう。
「追悼」とは・・・
死者の生前を偲(しの)んで悲しみにひたることです。
「哀悼」とは・・・
人の死に対して悲しみにひたることです。
・・・これらの意味の違いがあります。
お葬式は故人を弔うための正式な儀式です。
ですので「追悼」よりも「哀悼」が適切な言葉ということになります。
だから、弔電の文中では「哀悼の意を表します」が使用されるのです。
だから、お通夜やお葬式の場では
「哀悼の意を表します」
その後のお別れ会や偲ぶ会などでは
「追悼の意を表します」
・・・このように使い分けることがベターです。
ただし、お通夜やお葬式で故人の遺族の方にたいして、
話し言葉で「哀悼の意を表します」とはなかなか言いづらいものです。
ですので、お葬式の場で使用される一般的な文言としては・・・
「ご愁傷(しゅうしょう)さまです」
「お悔やみ申し上げます」
・・・これらのどちらかの言葉を使われることが多いのです。
哀悼の「意を表します」の意味とは?
「意」とは人の気持ちです。
「表明」とは言葉で表すという意味があります。
「哀悼の意を表します」を直訳すると・・・
”死を悲しみ悼む気持ちを言葉にして誰かに伝える”という意味になります。
弔問時に遺族の方に言葉で伝える。
または、弔辞を読んで故人に悼む気持ちを伝えることです。
実際は言葉だけではなく、喪に服することや祭壇の前で涙を流して悲しみを表現することもそうだと言えるのです。
「意を表する」と「意を込める」の違いとは?
「意を表する」と「意を込める」も似ている言葉です。
しかし、この2つの言葉は真逆の意味になります。
前述した通り表するは表に言葉などで出すことです。
逆に、込めるとは何かに入れて表に出さないことなのです。
直接的に出すのではなく、別のカタチで哀悼を表現するのです。
哀悼の意を込めて歌を歌う。
献花に哀悼の意を込める。など
まとめ
追悼の意を表します。
哀悼の意を表します。
これらの使い分けについてお伝えをしてきました。
僕自身もこの2つの言葉をあいまいなままでずっと過ごしてきておりました。
これらの言葉の意味が理解できていなくても実際の通夜や葬儀の現場で困ったことはありません。
でも、2つの言葉の違いがあることがわかったことで故人を弔うことと生前を偲ぶことは別なんだ。ということがわかりました。
テレビなどでも追悼番組はあるけど、哀悼番組はありませんよね。
また、一歩大人になれたような気がします。