「人間はどう生きるのか?」は選択することはできる。
でも、「どう死ぬのか?」は選択することができない。
現在、厚生労働省の日本での死因別死亡者数のデータによると、
病気で亡くなっている方は全体の65.6%と大半が病気が原因です。
なかには、不慮の事故、老衰、自殺などいろいろな死亡原因があります。
「自分はこれで死ぬことに決めました!」
・・・残念ながら自殺と安楽死以外は、自分で死ぬ方法を選択することはできないのです。
引用:厚生労働省:人口動態統計月報年計(概数)の概況2017年
終活のなかでまず大切なことは「死生観」という価値観です。
かなり、深く明確な答えがなさそうなテーマです。
そこで
今回は「死生観」とは何か?
自分らしい最期は自分で決める!?
ついてお伝えをしていきます。
目次
死生観とは何か?
死生観を辞書で調べてみると以下のように書かれています。
生きることと死ぬことについて、判断や行為の基盤となる考え方。生と死に対する見方。
このようにコトバンクには記されています。
漢字をそのまま訳すと、死ぬことと生きることの両方の価値観。ですよね!
でも、死生観というとなぜか「死」ばかりがクローズアップされがちです。
「死ぬ」ことのほうが「生きる」ことより重く捉われているように感じています。
死と生はどちらも100。
優劣はつけられないはずです!
そこで、僕なりに死生観をどのように考えれば良いのか?についてお伝えをしていきます。
死ぬ前にやりたいことは?【人生をどう生きるのか?】
まず、死生観の「生」について考えてみましょう!
以下の質問の回答を考えてみてください・・・
「明日やりたいことは何ですか?」
「死ぬ前にやりたいことは何ですか?」
・・・もしもどちらも同じ回答がでる人であれば、いまの人生が充実しているはずです。
でも、別々の回答がでるのであれば、いまの人生に対して充実感が不足しているのではないでしょうか?
この質問は全く同じことを質問されているにも関わらず、
死を過剰に特別視している人は「死ぬ前に」の言葉に過剰に反応してしまうのです。
80歳以上の高齢者へ
「人生で後悔していることは?」というアンケートがありました。
すると、90%の人が「もっとチャレンジすれば良かった」と語っています。
90%の人がやってしまった後悔ではなく、やらなかったことへの後悔をもっているのです。
誰だって「明日死ぬかもよ・・・」と考えて生きることは難しいです。
高齢者が「もっとチャレンジすれば良かった」と思うのは
逆に考えると「死について考えているから」とも言えます。
ということは、私たちは「死ぬこと」と「生きること」
どちらか片方ずつ考えることはできないのではないでしょうか!
この映画のように、死と向き合ったときに「自分が本当にやりたかったこと」に目覚める!
だから、死生観とは死ぬことだけを考えるのではなく、生きることも同じだけ考えて初めて「死生観」と呼べるのです。
「自分は本当はどのように生きたいのか?」
・・・この回答がでない人は同時に死について考えていないということかもしれません。
自分らしい最期(尊厳死)を迎えるためには?
次に死生観の「死」について考えてみましょう。
冒頭でもお伝えしましたが、私たちは自殺と安楽死以外は死ぬ方法を選ぶことはできません。
自殺は論外として、安楽死については日本では認められていません。
しかし、世界のなかでは積極的に安楽死を認めている国もあります。
スイスやアメリカのオレゴン州やワシントン州、オランダ、ベルギー、ルクセンブルクなどです。
日本では約80%の人が病院で最期を迎えます。
ちなみにオランダでは30%以下なのです。
これはどういうことなのか?と考えてみると
「本人が受けたくない医療を受けている可能性もある」とも考えられるのです。
厚生労働省が2013年に以下のようなアンケートを実施しました。
あなたはご自身の死が近い場合に受けたい医療や受けたくない医療についてご家族とどのくらい話し合ったことがありますか?
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「全く話し合ったことがない」と回答した人が55.9%もいました。
このことは、日本で約8割の人が病院で亡くなっていることと大きく関係していることなのです。
つまり、現在の医療技術では治る見込みがない患者さんやその家族のクオリティオブライフが重要なのです。
具体的には延命治療や緩和治療について話し合うことも必要だということです。
緩和治療とは?
生命を脅かす疾患による問題に直面している患者とその家族に対して、痛みやその他の身体的問題、心理社会的問題、スピリチュアルな問題を早期に発見し、的確なアセスメントと対処を行うことによって、 苦しみを予防し、和らげることで、QOL(クオリティオブライフ)を改善するアプローチである。
引用:WHO(世界保健機関) 2002年時点
もちろん、誰だって苦痛を味わいたくはありません。
それと同じように管だらけで病院で死にたくないという人も多いのです。
自分らしい最期を迎えるためには、延命治療をするのかしないのか?の選択だけではありません。
限られた人生をどのように全うしていくのか?を家族とも話し合っていきたいですよね。
まとめ
死生観とは何か?
についてお伝えをしてきました。
人間の価値観についてなので当然答えはありません。
また、価値観は常に変化するものです。
さいごに、僕も大好きだった故樹木希林さんの「死生観」をシェアして終わりにします。
「がんで死ぬって一番良い。だって死ぬまでの準備ができるじゃないですか」
「やり残したことなんて死んでみないとわからないですよ」
「生きているのも日常。死んでいくのも日常」
追伸:お葬式や埋葬についても考えてみる。
死生観と同じくお葬式やお墓について考えておくことも重要ですよね。
お葬式や埋葬というのは自分では行うことはできません。
生きているうちに家族や身内とも話し合う時間を作ってみてはいかがでしょうか?
僕はお葬式についても情報収集を行っています。
資料を請求して、お葬式や埋葬などの情報を収集して「エンディングノート」の記載も始めました。
終活はマイペースでも良いので、少しずつスタートさせましょう!
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