お葬式でいただいたお清めの塩
どうすればいいんだろう?
どうすればいいんだろう?
そう思ったことはありませんか?
もしかしたら
お清めの塩をうっかり忘れてしまった!
と少し不安な気持ちになっているかもしれません。
実は、私も以前、同じような経験をしたことがあります。
慌てて、玄関を出て塩をまいたこともあります(笑)
お葬式という特別な場では、色々な作法やしきたりがあって、何が正解なのかわからなくなる時がありますよね。
この記事では、お清めの塩の正しい知識、忘れてしまった時の適切な対処法。
そして、心理的な不安を解消するための情報を、わかりやすくお伝えします。
・「お清め塩」の意味や由来
・正しい使い方とタイミング
・お清め塩を忘れてしまったときの対処法
・余ったお清め塩の処分方紹介します
これらの解説をしていきます。
お清めの塩は、葬儀に参列した際に持ち帰った「穢れ(けがれ)」を家の中に持ち込まないために使います。
具体的には、以下の2つのタイミングで使用するのが一般的です。
①火葬場から葬儀会場に戻ったとき
葬儀会場にお清めセットが用意されている場合、会場に入る前に使用します。
葬儀から帰宅し、自宅の玄関に入る前。
自宅に入る直前に使用し、穢れを家の中に持ち込まないようにします。
これらのタイミングは、穢れを祓い、日常生活に戻るための区切りとして重要です。
清め塩の正しい使い方

お清めの塩の使い方は、宗派や地域、個人の考え方によって多少異なる場合がありますが、ここでは一般的な方法をご紹介します。
①手を洗う
お清めの塩を使う前に、まず手を洗います。葬儀に参列しなかった家族がいる場合は、その人に水をかけてもらうのが正式な作法です。ただし、この手順は省略されることもあります。
②塩を体に振る
ひとつまみ程度の塩を手に取り、胸、背中、足元の順に軽く振りかけます。この順番は、血の流れに沿っていると考えられています。
背中に塩をかけるのが難しい場合は、肩越しにかけるだけでも大丈夫です。同行者や家族がいる場合は、塩をかけてもらうとより効果的とされています。
③塩を払う
体に振りかけた塩は、手で軽く払い落とします。
④足元の塩を踏む
最後に、足元に落ちた塩を踏んでから、家の中に入ります。これにより、穢れを完全に浄化させると考えられています。
⑤衣服についた塩を払う
衣服についた塩は、しっかりと払い落としてから家に入るようにしましょう。
マンションの場合でも、敷地内に入る前に塩を使うようにしましょう。
一人暮らしの場合
一人暮らしの場合は、背中の方に手を回してかけるだけでも十分だとされています。
この場合も塩をしっかり踏むことの方が大切とされています。
この手順はあくまで一例であり、地域や風習によって異なる場合があります。
葬儀社や寺院の指示に従って行うようにしましょう。
清め塩を使い忘れた場合
もし、お清めの塩を使い忘れて、家に入ってしまった場合でも、慌てる必要はありません。
どうしても、気になる場合は・・・
喪服を着ている状態であれば、一度外に出て、お清めの塩を振りかけてから、再び家に入り直しましょう。
喪服を脱いでしまった場合は、もう一度喪服を着てからお清めをするとより丁寧です。
玄関の外の左右に盛り塩をして、その間を通り抜けることでも穢れを浄化できるとされています。
また、自宅の食塩で代用することも可能です。
気にならない場合は・・・
仏教では死を穢れとしないため、特に気にしない方は、そのまま過ごしても問題ありません。
お清めの塩は、あくまで気持ちの問題であり、神経質になる必要はありません。
最も大切なのは、故人を偲ぶ気持ちです。
清め塩を使う際の注意点
清め塩は、食用には適しません。
乾燥剤が入っていたり、食用ではない加工がされている場合があります。
使用後の塩は、そのままゴミとして処分しても構いません。
気になる場合は、庭に撒いたり、生ごみの殺菌に使ったりしても良いでしょう。
余った清め塩の処分方法

意外と困る?余った清め塩の扱い
葬儀でいただいた清め塩、使ってみたけれど、意外と余ってしまうこと、ありますよね。
「これ、どうやって処分したら良いんだろう?」
と、少し困ってしまうかもしれません。
余った清め塩の処分方法には、いくつかの選択肢があります。
処分方法の選択肢としては・・・
1.そのままゴミ箱へ
一番簡単で、一般的な処分方法です。
清め塩は、特別なものではないため、一般ごみとして処分して問題ありません。
ただ、葬儀に使ったものをゴミ箱に捨てるのは、少し抵抗があるな・・・
と感じる場合は、別の方法を試してみましょう。
2.庭に撒く
土に還すという考え方から、庭や植物の根元に撒くのも良い方法です。
自然に返すことで、清め塩も気持ちよくお役目を終えられるでしょう。
ただし、撒く場所には注意が必要です。
3.生ごみの殺菌に使う
塩には殺菌効果があるため、生ごみの水分を吸わせる、または臭い対策として使うこともできます。
環境にも優しく、一石二鳥かもしれません♪
4.水に流す
水に流して処分することも可能です。
シンクやトイレに流す際は、詰まりの原因にならないように注意しましょう。
絶対にやってはいけないこと
食用にしない
清め塩は、絶対に食べないでください。
乾燥剤や香料など、食用ではないものが含まれている場合があります。
また、衛生面でも問題があるため、料理に使用することも避けてください。
清め塩は、葬儀という特別な場面で使用されるものですが、その本質は「塩」です。
自然の恵みであり、感謝の気持ちをもって処分することが大切です。
もしかしたら、余った清め塩を、日常のちょっとしたお清めに使ってみるのも良いかもしれません。玄関や気になる場所に少し撒いて、気分をリフレッシュするのも、良いかもしれませんね。
清め塩の基本知識:意味、由来、宗教観
そもそも、お清めの塩とは一体何なのでしょうか?
お葬式で渡されるお清めの塩は、「穢れ(けがれ)」を祓い清めるために使われるものです。
ただ、この「穢れ」という言葉、日常生活ではあまり使わないですよね。
しかし、「穢れ」は単なる「汚れ」とは意味が異なります。
「穢れ」は「気枯れ(けがれ)」ともいい、生命力が枯渇した状態、つまり、人が亡くなったことで生じる、心身のエネルギーが失われた状態を指します。
「気が枯れる」という状態を想像すると、少しイメージが湧きやすいかもしれませんね。
この「気枯れ」を祓うために、塩が使われてきたのです。
そのルーツは、日本古来の宗教である神道にあります。
神道では、死を「穢れ」として捉え、この穢れは神様の力を弱めてしまうと考えられていました。
しかし、仏教やキリスト教では、死を「穢れ」とは考えません。
仏教ではむしろ、死は生の一部であり、人が仏になるための通過点だと捉えられています。
特に、**浄土真宗では、「亡くなったとたんに死者を穢れ扱いすることは冒涜である」として、お清めの塩の習慣を「迷信」と捉え、使用しないことが一般的です。
それどころか、「誰でも浄土に行くことができる」という教えから、清めるという行為自体が否定されています。
それなのに、仏式の葬儀でもお清めの塩が配られることがあるのでしょうか?
それは、日本がもともと神道の国であったという歴史的な背景があります。
しかし、近年では、葬儀の小規模化や、宗教観が薄れてきていることから、お清めの塩の習慣は少しずつ廃れつつあります。
もしかしたら、近い将来、お清めの塩は、過去の風習として歴史の中に消えていくのかもしれませんね。
まとめ
この記事では、葬儀で使われる「清め塩」について、その意味や使い方、処分方法、そして少しマニアックな知識まで、幅広く解説してきました。
清め塩は、単なる「迷信」として捉えられがちです。
しかし、その背後には、日本人の死生観や、故人を弔う気持ちが込められているのかもしれません。
この記事を読んだあなたが、葬儀のときにより落ち着いて行動できるようになることを、心から願っています。